かつて、日本各地に生息していたコウノトリ。乱獲や餌場であった田んぼへの農薬利用により餌が無くなり。農薬に蝕まれたコウノトリは繁殖力を失い、日本の空から消えてしまいました。
お米と命、同時に育める環境を
元々豊岡はジル田といわれる湿地帯が多い土地で、生き物にとっては最高の環境でした。コウノトリ最後の生息地だった理由も、そこにあるといわれています。
田んぼは生物多様化を考える上で、とても重要な場所です。農業の様々な活動を通して里山が形成され、多くの生きものが共に暮らす環境が作り出されてきました。「コウノトリ育むお米」作りのコンセプトは、「お米と生きものを同時に作ること」です。無農薬・減農薬・��機栽培といった価値に加え、「生きものを育む」という、今までの農業の常識を打ち破る新しい付加価値を持ったお米です。
「コウノトリ育むお米」が農業を変える
「コウノトリ育む農法」の大きな特徴は、何と言っても水の管理にあります。冬でも田んぼに水を張り、通常6月に行われる中干し(水を抜いて田んぼを乾かす)作業も、オタマジャクシがカエルに成長するまで延期し、コウノトリの餌となる生きものを育てるべく湿地の状態を保つようにしています。さらに、田んぼと水路には生きものが行き来しやすいように魚道を設置しました。安心・安全なお米を作ることはもちろん、様々な生きものを増やすという意思のもとで、田んぼが作られています。
今までの農法と180度違うため、当初は農家から不安の声もありました。しかし、今では但馬中に広がっています。その広がりの大きなきっかけとなったのが、平成17年9月に行われたコウノトリの自然放鳥だったといいます。大空に舞う姿を見た瞬間、その美しさに多くの農家が魅了されました。
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